京都屋と大津競輪 ― あの熱気のただ中で
かつて滋賀・大津の競輪場では、息つく間もなく次々とレースが進んでいきました。「今度こそは」と賭けた選手が思うように伸びず、車券は紙くず同然に....。
それでもファンは引き下がれない。負けたままでは帰れない。
そんな人たちのために、競輪場の前には質屋が店を構え、必要に応じてその場で品物を預かっていました。
身につけたものまで手放して金を工面する人、商売道具のバリカンを差し出す床屋、
腕時計、手提げカバン、持てるものは何でも質に入れ、まさに一か八かの勝負へ向かう。
あの頃の競輪風景には、人の欲も意地も、切実な生活も、すべてがむき出しでした。
京都屋もまた、その熱気のただ中にありました。
単に品物を預かるだけの店ではなく、「もう一度だけ勝負したい」という人の背中を、黙って支える場所。
笑顔で時計を受け取りに戻る人もいれば、肩を落として帰る人もいる。
店のカウンターには、勝負の行方と同じ数だけの人生がありました。
時代は流れ、競輪場は姿を消しました。
しかし、あの頃に培われた“人を見る目“物を見る目”は、今も京都屋の芯にあります。
時計や宝飾、さまざまな品を次の持ち主へつなぐ仕事は、かつての質屋と変わらず、人の暮らしに寄り添う営みです。
大津の街とともに歩んできた京都屋の歴史には、競輪の歓声とため息が、静かに刻まれています。
賭け地獄 青森・滋賀 『日本ニュース 戦後編 第236号(昭和25年7月18日)』
こちら(NHK公式ページ)の動画をご覧ください。
当該映像の 0:55頃 より大津競輪場の場面が映し出され、その中に 「京都屋」 の店舗・看板が写っている ことが確認できます。
戦後間もない日本の空気、競輪に熱狂する人々、そしてその傍らで営まれていた質屋の風景。
わずか数秒の映像ですが、京都屋にとっては、確かにここで人々の暮らしと向き合ってきたという“証し”でもあります。
これからも京都屋は、品物の価値だけでなく、そこに宿る人の物語を大切に、次の時代へつないでまいります。
※本記事はNHKアーカイブスで公開されている公式映像へのご案内を目的としたものであり、当社は映像の権利を保有・管理しておりません。映像の著作権はNHKに帰属します。
当該映像の 0:55頃 より大津競輪場の場面が映し出され、その中に 「京都屋」 の店舗・看板が写っている ことが確認できます。
戦後間もない日本の空気、競輪に熱狂する人々、そしてその傍らで営まれていた質屋の風景。
わずか数秒の映像ですが、京都屋にとっては、確かにここで人々の暮らしと向き合ってきたという“証し”でもあります。
これからも京都屋は、品物の価値だけでなく、そこに宿る人の物語を大切に、次の時代へつないでまいります。
※本記事はNHKアーカイブスで公開されている公式映像へのご案内を目的としたものであり、当社は映像の権利を保有・管理しておりません。映像の著作権はNHKに帰属します。








